超の字が付くと何やら特別なもののような響きを帯びますが、超音波は通常我々の耳に聞こえる音と物理的には同じものです。人間の耳に感じない音を積極的に、応用する技術です。現在使用されている周波数の範囲は１５キロヘルツから、メガヘルツ帯の広い範囲で利用されています。応用例を揚げますと。
超音波洗浄機
液中に漬されていれば、どんな形のものでもその内側や隅々まで、音波が短時間で洗ってしまう理想的洗浄法です。
水が一般的ですが、有機溶剤や弗硝酸液等にも使用できます。
洗浄メカニズムは下図のようなものです。 |
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普遍的な水で説明しますと、水中に振動子から強力な音波を照射させると、一瞬、音波が負圧のとき水が引き裂かれ、中が真空になったミクロ単位の気泡、キャビテーションが無数に発生します。これが次にくる正圧時に押し潰され破壊しますが、このとき、数千気圧にも達するとされる、ミクロな単位での水爆の爆発に匹敵する力が発生します。この力で普段混ざることのない水と油を乳化させ、クリーム状にして強固な汚れも凝固、剥離させる強力な洗浄力を発揮します。またこの時、音波の角速度が速いため、汚れを振り切り引き離す力も働きますからきれいな仕上り状態が得られます。
被洗浄物の大きさや形状により最適周波数を選定する必要があって、その要領は次のようになります。 |
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| 大きいもの、重量のあるもの、材厚のあるもの |
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１８→２０KHz |
| 一般的なもの(万能周波数) |
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２４→２８KHz |
| 短小軽量なもの、材厚が薄いもの、精密度なもの |
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３６→４０KHz |
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| これを図示すると下図のように表せます。 |
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| 通常の汚れを落とす効果が得られるのは４０KHz帯まで、７５KHzを超えると、洗浄効果は極端に低下します。またアルミ材等材質により、キャビテーションダメージが発生する恐れのあるものには、２０KHz以下は使用を控えます。 |
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| 洗浄液水 |
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水に飽和の状態で含まれている空気を追い出し、キャビテーション効果
を高めてから使用します。このため約５分程脱気運転をします。但し界面
活性剤を投入すれば、直ちに使用可能となります。水は温度が低いと音波が吸収減衰しますから、低くとも３０度程できれば５０度を保つようにします。逆に７５度を超えると大粒の気泡が発生し、音波の伝達にとって邪魔になります。 |
| 炭化水素 |
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引火点の値により防爆、又は安全増防爆仕様となります。 |
| 有機溶剤 |
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ガスの拡散を防ぎ液の循環再生するクローズドサイクルの溶剤形となり背丈が高くなります。 |
| フツ酸等 |
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強酸液使用の場合は洗浄槽、振動板ともオール樹脂となります。当社では樹脂製振動板として効率に優れたＰＶＤＦ製で対応しています。 |
| 洗浄ムラ |
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液体中の音波は全て縦波ですから振幅のない波の節の付近では洗浄効果
が低下します。また水位によりこの位置が移動しますので、この対策として、被洗浄物を数センチ上下に移動したり、自動追尾発振を用いたりします。 |
| 騒音 |
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当社は、食器洗浄機を主体に喫茶店での使用も考慮してきましたので、特殊な吸音材を用いた静かな超音波洗浄を提供しています。 |
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